ビジネスとしてサービスを提供する場合、顧客個人の行動を知る必要はあまりありません。もちろん、顧客が10人しか居なくて、それぞれの顧客への販売額が1千万円とかならば、顧客個人の行動が重要になるでしょう。しかし、単価が何千円とか、何百円とかの商品やサービスを販売するならば、顧客の数は多くなり、一人ひとりの行動を把握することは事実上できません。そこで、集団としての行動パターンを統計的に把握することになります。
例えば、あるコンビニで挽きたてコーヒーの販売額(一週間)は顧客毎に調べると、下表のようになったとします。すべての顧客の購買記録はポイントカードの導入によって残されていると仮定します。顧客は全部で1000人ですね(あくまで仮の人数です)。顧客は、一週間にいくらコーヒーを買っているでしょうか。まず、横軸に顧客番号をとって、縦軸に売上額をプロットしてみます。顧客毎に売上額をプロットしてみても、400円以上の売上げがある顧客は少ないということはわかりますが、売上額が300円以下の顧客の状況がどうなっているかはよくわかりません。それに、どのくらいの顧客がコーヒーにいくら使っているのかもわかりません。
そこで、売上額に対する顧客の数を集計します。これは、ヒストグラムと呼ばれます。これで、週当たりコーヒーをいくら購入しているかの様子が知れます。これを見ると、700人を超す顧客が100円、もしくは200円ということがわかります。このコンビニではコーヒーを100円で販売していますから、一人1杯か2杯ということです。3杯以上飲む人は少ないのですが、500円購入している顧客が多いのはどうしてでしょうか。実は、このコンビニではコーヒー1杯に対して1つスタンプが付いて、5つスタンプが貯まると、コーヒー1杯がタダになるというサービスを実施しています。400円購入した人はあともう1杯、300円購入した人はもう2杯飲んで、タダのコーヒーにありつこうと考えたとしても不思議ではありません。
顧客と売上額
顧客に対する売上額
売上額に対する顧客数
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