コンピュータに仕事をさせるには、もう少し細かくデータを与えないといけません。人の顔というデータの中には、顔の形、髪型、目の色や形、肌の色など、色んな特徴が含まれます。これらの特徴を使って、Aさんというクラスを導き出していきます。このパターン認識処理をコンピュータで行うために、パターン認識システムが構成されます。パターン認識システムはシステムですから、入力と出力があります。入力はデータで、出力はデータを分類したクラスです。
パターン認識システムは、図1のように、前処理部、特徴抽出部、認識部から構成されます。
図1:パターン認識システムの構成
特徴抽出部は、次の識別部で、パターンの識別がやりやすい特徴を取り出す役割を担います。取り出される特徴は、パターンの変動に影響されにくいものでなくてはいけません。例えば、手書き文字認識ならば、Aさんが書いた「あ」でも、Bさんが書いた「あ」でも、文字「あ」として認識される必要があります。この場合、誰が書いたかという情報に関連した特徴は必要ありません。つまり、パターンに含まれる特徴の組から、パターン認識にとって真に重要な特徴を抽出するわけです。
認識部は、入力パターンを、複数のクラスのうちの1つに対応させる処理を行います。このとき考慮する特徴は、パターンに含まれるすべての特徴ではなく、特徴収集部で取り出された特徴だけになります。識別部からは、認識結果として入力パターンが属するクラスが出力されます。
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