線形変換の表現行列が
Aのとき、座標
(x,y)は、
(x′,y′)に移されます。このとき、元の座標値を定数倍する組合せが存在します。例えば、
A=(3542)
でしたら、座標
(2,1)は、
(11,10)に移されます。もし、座標
(2,1)を原点からのベクトル
(21)と考えますと、そのベクトルは線形変換によって大きさも方向も異なるベクトル
(1110)に移されます。図に描けば、以下のようになます。
このとき、ベクトルを
(54)のようにとりますと、
(3528)に移されます。これは、元のベクトルと方向は同じで、大きさが定数倍(7倍)になっています。つまり、次式が成り立ちます。
A(xy)=λ(xy)
λを固有値、
(xy)Tを固有ベクトルと言います。どうしてこのようになるかは、この後の回の「対角化」の説明を見ていただくとして、ここでは、
2×2行列
Aの固有値、固有ベクトルを求めてみましょう。上記の式から、次式が成り立ちます。
A(xy)=λ(1001)(xy)(3−λ542−λ)(xy)=(00)
この式がベクトル
(xy)≠(00)を持つ条件は、次式で与えられます。
det(3−λ542−λ)=0
したがって
(3−λ)(2−λ)−20=λ2−5λ−14=0
これを解くと、
λ=−2,7です。固有値が
λ=−2のとき、固有ベクトルは
(1−1)となります。固有値が
λ=7のとき、固有ベクトルは
(54)となります。
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