2017年7月18日火曜日

線形変換

座標\((2, 1)\)を原点からのベクトル\(\begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix}\)と考えれば、 \begin{equation} \begin{pmatrix} 11 \\ 10 \end{pmatrix} = \begin{pmatrix} 3 & 5 \\ 4 & 2 \end{pmatrix} \begin{pmatrix} 2 \\ 1 \end{pmatrix} \end{equation} となります。これは、線形変換\(f\)の表現行列が \begin{equation} A = \begin{pmatrix} 3 & 5 \\ 4 & 2 \end{pmatrix} \end{equation} であるとき、\(f\)によって座標\((2, 1)\)が\((11, 10)\)に移されると考えることができます。図に描けば、以下のようになります。

標準基底を\(\vec{e}_x = \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix} \)、\(\vec{e}_y = \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix} \)にとりますと、座標\((x, y)\)は、 \begin{equation} \begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix} = x \begin{pmatrix} 1 \\ 0 \end{pmatrix} + y \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \end{pmatrix} = x \vec{e}_x + y \vec{e}_y \end{equation} と表せます。これに線形変換\(f\)を施せば、 \begin{equation} f(x \vec{e}_x + y \vec{e}_y) = x f(\vec{e}_x) + y f(\vec{e}_y) = x \begin{pmatrix} 3 \\ 4 \end{pmatrix} + y \begin{pmatrix} 5 \\ 2 \end{pmatrix} \end{equation} となります。ここで、\( \vec{a} = \begin{pmatrix} 3 \\ 4 \end{pmatrix} \)、\( \vec{b} = \begin{pmatrix} 5 \\ 2 \end{pmatrix} \)としますと、 \begin{equation} \begin{pmatrix} x^\prime \\ y^\prime \end{pmatrix} = x \vec{a} + y \vec{b} \end{equation} を得ます。\( \vec{a} \)、\( \vec{b} \)を基底と考えると、\( \begin{pmatrix} x^\prime \\ y^\prime \end{pmatrix} \)は、\( \vec{a} \)、\( \vec{b} \)が張る座標系上の座標\((x, y)\)となります。図に描けば、以下のようになります。

つまり、線形変換\(f\)は、標準基底で\( x \vec{e}_x + y \vec{e}_y \)と表される座標を、基底\( \vec{a} \)、\( \vec{b} \)で\( x \vec{a} + y \vec{b} \)と表される座標に移す変換と考えることができます。別の言い方をすれば、標準基底の直交座標系での座標\((x, y)\)を、基底\( \vec{a} \)、\( \vec{b} \)が張る座標系での座標\((x, y)\)に移す変換ということができます。

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